俺様社長に振り回されるのも悪くない
「着きましたよ」
名取さんの言葉に我にかえる
やばいっ。
「いってぇっ!」
社長の唇は私から離れていった
社長の唇から少し血が出ていた
「クックックっ……お前は待ってろ、そんな顔で外に出すわけにはいかねぇ」
そう言って、社長と名取さんは
車から降りて行ってしまった。
ふぅ……
危なかった。
あのままだったら
社長の思う壺だったわ。
それにしても、なんなんだ。
女なら不自由しなさそうなのに……
あれかな?
今、居ないから私を遊んでるのか…
どんな理由があるにしても
初日がこんなんじゃ、参るな。
……そんな顔って、私…どんな顔してんの?
私は鞄から鏡を出し自分の顔を確認する
『……っ。…』
なんていう顔してんの…