俺様社長に振り回されるのも悪くない
ピンポーン
無言でモニターを見ると名取さん
ロックを解除して
『どうぞ……』
それだけ言った
このタイミングで名取さんがくるって事は
名取さんは全てを知っていて
辞める事を理解してるって事
「久里ちゃん、久しぶり。これお土産」
いつもと変わらない穏やかな笑顔
『ありがとうございます、今コーヒー淹れますので掛けてください』
コーヒーを淹れている間も
無言で沈黙が続く
『……どうぞ』
三人分のコーヒーを淹れて座る
なんとも言えない沈黙の中
口を開いたのは社長だった