俺様社長に振り回されるのも悪くない


トイレに駆け込むと
身体の灰汁が全て出た


『ゲホッ……ゲホッ……ウェッ……』


全てを吐き出した後
持っていたお茶で口を濯ぎ手を洗う

鏡にうつる私は可愛くない
……あの人みたいに輝いてない


そう考えたらまた吐き気がした
吐くものは何もない


終電を逃してしまった私は
携帯を手に取ろうとしたら無いことに気がつき、トイレから出た


さっきのところに落ちているかも…
そう思い走り出そうとした時


「久里ちゃん」


その声に私の足は止まった


「やっぱり久里ちゃんだったか」


その声は……名取さん。
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