俺様社長に振り回されるのも悪くない
悪戯という孤独
ただの貧血だったから
明日には退院できる
名取さんからの電話でお父さんは
怪我でもしたかと慌てていたらしいけど
貧血と聞いて安心したという。
それでも心配だからと
明日、昼前には迎えに来ると言う
社長に会ってから
お父さんまでもが変わった気がする
私に何かあればお母さんじゃなく
お父さんが来てくれる
点滴を見ながら
いつの間にか寝てしまった
次の日、昼前って聞いていたのに
9時にお父さんは迎えに来た
「何やってるんだ」
それだけ言って
私の鞄を持ってくれた
それがなんだか
嬉しくて優しくて……
涙が出そうになる