俺様社長に振り回されるのも悪くない
『ど、どこ行くの?』
社長は鼻歌を歌っていた
そんなに嬉しいのかと
こっちまで嬉しくなる
「あ、来たわよ。夏希!」
お母さんの声がした
お父さんもお母さんも
遅いと言わんばかりに
新築の家のバルコニーでくつろいでいた
「ここが我が家。家具の配置は完璧だろ?」
社長が笑いながら言う
もしかして、アレは社長の仕業?
『もぅ、こっちはヒヤヒヤしてたのよ』
もう一度見渡すと、あの時より
家具が揃っていて、今からでも
生活が出来そうな感じだった
「あのマンションは薫が使うから、俺は早々にこっちに引っ越す。ここから会社まで距離はあるけど、そんな日数ないから問題ない」