俺様社長に振り回されるのも悪くない
マンションへ着く
久しぶりに帰ってきた
「久里ちゃん、おかえり」
出迎えてくれたのは名取さん
と、もう一人
「初めまして、早苗です」
早苗…さん?
あ……もしかして……
『は、初めまして。夏希です、名取さんにはいつもお世話になってます』
私が頭を下げれば、社長の機嫌の悪い舌打ちが聞こえてきた
「何で早苗がいるんた」
「は?手伝いに来たのよ!それと、遥が惚れ込んでる久里ちゃんに会いに来た」
「くだらん」
社長と早苗さんのやり取りを見ていたら
名取さんが手招きしてくれた
名取さんに駆け寄ると
「遥と早苗は、いつもあんななの。話が合わないし、いつも喧嘩みたいな会話なんだ、見てたら笑えちゃう」
え?笑えちゃう?
『仲が悪いんですか?』
「いや、仲良し。俺と早苗をくっつけたのも遥だし」
なんだか不思議な感じがした
私には、そういう友達がいない
田舎に住んでいて、家の事優先だったし
短大もバイトしながらだったから
サークルなんて入れなかった
羨ましいな……