俺様社長に振り回されるのも悪くない


『社長……』


書斎に入ると眼鏡をかけ
パソコンに向かって仕事をしていた


「ん?どうした」


私を見ず、返事をする社長


『あの……私の……奨学金…』


話をしようとしたら
パソコンに向けていた視線を私に向けた


『もしかして……払いました?』


払ってないって言って欲しい
けど社長は社長だった


「あー…あれね」

やっぱり……

『ど、どうして?あれは私の奨学金で私が払う義務があるんです』


「ん、わかってる」


わかってるって……
なら、なんで勝手に……


「確かに奨学金は払った。けど……俺が払ったわけじゃない」
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