俺様社長に振り回されるのも悪くない
『……すみませんが、どのようなご用件でしょうか?』
広告課には絶対来ないような人だ
私の言葉に課長が顔を出した
「久里ちゃん、どうし……えっ……あっ。お疲れ様です」
課長は慌てて挨拶をしている
課長は小声で
「久里ちゃん……秘書さんだよ」
え?……この人が?
……初めて見た、社長秘書。
『すみません。社長秘書さんを見るのが初めてだったので……』
私が話すと秘書さんはにこやかに笑い
「では、これからは覚えてください。社長秘書をしてます、名取と言います」
『はい。私は広告課の久里です』
名取さん、本当に私に用があって来たのだろうか……