俺様社長に振り回されるのも悪くない
「久里さん……少しお時間よろしいでしょうか?」
名取さんはにこやかに話す
『……時間が掛かるなら無理です。今日中にデザインを提出しなきゃならないので』
私が断ると名取さんは少し驚いた顔をした
それ以上に課長が驚いていて
「久里ちゃん、デザインいいから。俺がやっておくからっ」
『え?ダメです。これは私の担当ですから。用があるならここで済ませて頂けたら助かります』
私がそう言うと、名取さんは納得してくれたようだった
「仕事を大事にされるのは感心致します、それではお話させて頂きます」
ここでは何ですから……と
奥の会議用テーブルに移動した。