Dear U
私の大切な仕事の日。

海堂サンは来てくれた。

会社は
休みだったはずなのに。

私は
すごく嬉しかった。


結果は
最悪だったけど
最後まで頑張った。


センパイからの電話。
私には回らない電話。

だけど
センパイが私に電話を回してくれた。


センパイの優しい声。
私は泣いてしまった。

優しい言葉は反則だ。
海堂サンに
気がつかれないように
私は逃げた。



会社に戻ったら
センパイがいた。


センパイはいつも
わけの分からない
冗談を言って
新卒を困らせる。


いつもなら
すぐ笑って
冗談って言ってくれるのに
今日は
言ってくれなかった。


これは
冗談なんかじゃない。


センパイは
もうすぐ
会社を辞める。



センパイの前では
絶対泣かない。
私は私に言い聞かせた。


センパイの姿が見えなくなった瞬間
私は泣き崩れた。




その日以来、
海堂サンは
私に冷たい。


かまわない奴は
嫌いだから。

本人が言ってた言葉。


私は
支えをなくしてしまった。
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