Dear U
おい、聞いてるのか??
しのぶ。


だいちの声で我にかえる。


別れ話をしていたんだ。




すぐじゃなくてもいい。
返事を聞かせてほしい。


だいちの声が震えていた。




このままじゃいけない。
今のあたしじゃ
だいちの誠意にも
わたるの愛情にも
応えることができない。





あたしは
だいちにしばらく時間がほしいと伝えた。


だいちは何かを察したように
悲しそうに笑った。



だいちは
全て分かってたんじゃないかなって思う。

でも
あたしを責めたりしなかった。


それは
だいちなりの優しさだったのかもしれない。
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