Dear U
始まりは
父さんの言葉から。


「だいち、もうそろそろ跡を継いでくれないか。」


いつかは言われる言葉。

家は自営業で
僕は長男。


初めから
分かっていたことじゃないか。


なのに
その言葉は
僕に重たく伸掛った。


社会人になって5年目の春。

待ちに待った後輩が
僕の下に就くと分かった日だった。







しのぶには
いつ伝えよう。

早めに伝えなきゃいけない。

だけど
いざ伝えるとなると
なんて言っていいものか。

いい言葉が浮かばない。
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