どっちを選べばいいの?
太陽が沈んで、月が出てきた。
もうそろそろ花火が打ち上がる頃かな?
そう思ったとき……
ーヒュー……ドンッ
大きな花が夜空に咲いた。
みんないっせいに顔をあげる。
きれ〜〜い!
何分かして、ふと、由宇くんの方を見る。
……由宇くん?え!?いない!?
「あれ!?由宇くんがいない!?」
彩香と上くんが花火を見るのをやめ、私の方へと顔を向ける。
「は?あいつどこ行きやがったんだ!?」
上くんが怒ったように言う。
「まさか、あの人じゃ……」
彩香が小声で言う。
「あの人?」
あの人って誰だろう。
「ううん。多分ちがうと思うから。とりあえず、探そ!」
そして、人と人の間を通り抜けながら、由宇くんを探す。
すると、向こうから、こっちに向かっている人が見える。
由宇くんだ!
「由宇くん!」
「え?なんでお前らがここにいんの?」
「なんで、ておめぇがいなかったから、探してたんだぞ!」
「ごめん、ごめん。花火見ながら、たこ焼き食いたくなっちまって。」
「どっか行くなら、なんか言ってから行けよ!!心配してたんだぞ!」
上くん、すっごく怒ってる。