どっちを選べばいいの?

太陽が沈んで、月が出てきた。



もうそろそろ花火が打ち上がる頃かな?



そう思ったとき……



ーヒュー……ドンッ



大きな花が夜空に咲いた。



みんないっせいに顔をあげる。



きれ〜〜い!



何分かして、ふと、由宇くんの方を見る。



……由宇くん?え!?いない!?



「あれ!?由宇くんがいない!?」



彩香と上くんが花火を見るのをやめ、私の方へと顔を向ける。



「は?あいつどこ行きやがったんだ!?」



上くんが怒ったように言う。



「まさか、あの人じゃ……」



彩香が小声で言う。



「あの人?」



あの人って誰だろう。



「ううん。多分ちがうと思うから。とりあえず、探そ!」



そして、人と人の間を通り抜けながら、由宇くんを探す。



すると、向こうから、こっちに向かっている人が見える。



由宇くんだ!



「由宇くん!」

「え?なんでお前らがここにいんの?」
「なんで、ておめぇがいなかったから、探してたんだぞ!」
「ごめん、ごめん。花火見ながら、たこ焼き食いたくなっちまって。」
「どっか行くなら、なんか言ってから行けよ!!心配してたんだぞ!」



上くん、すっごく怒ってる。
< 47 / 61 >

この作品をシェア

pagetop