どっちを選べばいいの?
(由宇SIDE)
花火が打ち上がった。
やっぱ花火がないと夏は終わらないよな。
俺は、花火に見とれてると、いきなり後ろから口を押さえられ、手を引っ張られる。
何が起きているのか、全くわからず声を出すことができなかった。
そのまま俺は、人があまりいない神社まで手を引かれていた。
俺は我に返り、口をふさがれていた手の手首を掴んだまま、後ろを振り向く。
そこにいたのは......
「いつから付き合ってるの!?」
「え?麗華?」
なんで麗華がこんなことを?
「夏穂っていう人と、いつから付き合ってるの!?」
「お前には、関係ないだろ。」
別に、麗華が知っても、あまり意味がないだろ。
「......ごめんね。勝手にこんな所まで連れてきて。」
「本当だよ。あ、お前の友達は?」
麗華の友達、周りにいなさそう。
「あ、それは気にしなくていいから!」
「友達の所まで、付いてこーか?」
「いいよ。やっぱり由宇は、やさしいね。全然変わってない。」
「そうか?」
「うん。じゃあ、行くね。」
「おう。気を付けろよな。」
麗華の姿が見えなくなってから、俺も夏穂達の所に戻ろう。
あ、突然俺がいなくなったから、みんな心配してるかな?
そうだ!出店でたこ焼きを買っていこう。みんなの分も。
多分、みんななら許してくれるはず......!
麗華の姿が見えなくなったことを確認してから、すぐに出店に向かった。