Open
扉。
北舎一階の端っこ。
どこの教室からも
かけ離れている書道室は
誰も近寄らない。
その廊下は墨の匂いと紙の匂いがする。
私はこの匂いが好きだ。
私がドアを開けると
いつもの2人が言い合ってた。
「やーだー
めんどいじゃん一ノ瀬がやってよ~」
「いや。だから今日は休む
って言ってんじゃん 大ちゃんって
人の話し聞いてないよな」
回る椅子に座って
くるくる回りながら愚痴をこぼしてる
金髪男。
部員2人の書道部がなぜ
書道同好会にならないのか。
それはこの金髪男が握ってる。
「だってさ~
丸つけとかクソめんどいしさ~
一ノ瀬にやってもらおうって
思ってたのに…
あっはな!はなにやってもらおう~」
私を見つけてにこにこ笑ってる。。
「やだやだ!だいたい丸つけは
先生がやるもんでしょーが!」
「大丈夫って~俺よりうまいから」
そしたら一ノ瀬くんが
私の後ろにあるドアに
手をかけて
あとはよろしく~と言って教室を
出て行ってしまった。