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ガチャっと音をたてて
扉が開いた。

そしたら急に腕を掴まれて
気づいたら 大ちゃんの胸の中だった。

タバコの匂いと

私の大好きな墨と紙の匂いがする。

「どうした そんなに泣いて。
さみしくなっちゃった?」

その言葉にまた涙が溢れて溢れて。
いつの間にか叫んでた。

「ねえ私っどうすればいいっ」

大ちゃんが私の頭を優しく撫でる。

「大丈夫。はなには五十嵐がいるから」

「違う!私は…大ちゃんが好きなの」

自分の言葉が心に刺さって
血が流れた気がした

最低だ。 ありえない。


ワタシハナニヲイッテル?



「俺は教師だから付き合えないよ」


優しい声でそう言う 大ちゃん

「だけど....だけど!!
私、この気持ちを
どうしたらいいか分かんないよ。」

私は大ちゃんの胸を叩いて叫んだ
そしたら大ちゃんが私の手を
両手で掴んで私の目を覗き込んだ。

「はなは若いから 俺なんかの事
すぐ忘れる。ちょっと間違って
好きになっちゃっただけ。
はなが好きなのは五十嵐。
これだけは間違いじゃない
だから、絶対別れんな?
何があっても 仲良く...な?」

大ちゃんの目からは
あと少しでこぼれそうな
涙が浮かんでいた。
あとちょっとでこぼれると思って
大ちゃんの目をジッと見ていたら
こぼれる前に目の前が真っ暗になった。

大ちゃんの唇が私の唇に重なっていた。
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