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「あっお前の彼氏 がんばってるよ」
煙に巻かれてる大ちゃんから声がした。
「ほんと~?何してる?」
私は丸をつけることに必死で
テキトーに言葉を並べてしまった。
そしたら
「おーい!五十嵐!倦怠期なんか⁉︎」
と大ちゃんが
グラウンドにいる翔くんにむけて叫んだ
「ちょっと!邪魔したらダメだって」
私は筆を置いて窓のほうに走った。
そしたら翔くんがこっちに
走ってきてるのが見えた
「あっキタキタ彼氏が走ってきてる」
「もー大ちゃん 」
どんどん翔くんが近づいてきて
窓の側に来た
頭が丁度見えるくらいで
そっから覗き込んでるから
なんだかかわいい
「なに?倦怠期って」
「だってさ、彼氏がいるぞって言ったら
あーはいはい みたいな
反応だったからさ」
「違う違う!!大ちゃんに
こき使われて忙しかったから!」
そう言うと翔くんはなんだ~って
窓枠に手をかけた。
「もう大ちゃん!
はなこき使わないでよね~
俺の彼女なんだから」
「はいはい のろけんな~」
大ちゃんは吸ってるタバコの煙を
翔に吹きかけて 笑った
「臭っさ!タバコ臭いって」
「もういいから 練習戻ればーか」
そう言われて翔くんは私に笑いかけた。
「帰り待ってて
部活終わったら迎えいく」
「りょーかい!」
その時の大ちゃんの顔は
うっざリア充しね
という言葉が1番似合う顔で
私は笑いそうになった。