約束の果てに
直人「千尋お前身体が…!」
千尋「もう時間が無いみたいだね…」
時間って…成仏し始めてんのか!?
千尋「…なおくんに伝えられて良かった
なおくんの気持ちもちゃんと伝わったよ」
直人「そんな事言うなよ!」
それじゃぁ本当に終わりみたいな言い方じゃんか
千尋「これで本当にお別れだね…
最後になおくんにずっと聞きたかった事があるの
なおくんは…少しでも私の事好きだった?」
こらえてた涙が瞳から零れた
徐々に消えていく千尋の身体が本当にサヨナラなんだって痛い程実感させた
直人「…好き…だった。好きだったよ…
本当はお前の事ずっと…」
だから行くなよ…
千尋「初めてだね…なおくんが言ってくれたの最後にそれが聞けて良かった
幸せになってね?大好きだったよサヨナラ…」
最後千尋はあの頃と変わらない笑顔で笑って逝った
千尋…
畜生…あの頃の俺がもっとしっかりしてればこんな事にならなかった
気付いたら琉そして蓮達も後ろに居た
直人「お前らいつから…」
琉「ずっと見てたよ
直人自分を責めんな
終わった事を後悔しても遅いんだ
三上は笑って逝ったんだ
ならお前が泣いてるわけにいかないだろ
しっかりしやがれ」
琉……
俺は涙を拭いて空を見上げると雲が笑ってる気がした
直人「…そうだな」
千尋ありがとな…さようなら…
蓮「千尋ちゃん…っ」
琉「たく…いつまで泣いてんだよ
学校戻るぞ」
学校に戻る頃にはすっかり日が暮れていて綺麗なオレンジ色に空は染まっていた
桜「無事に…仏できて良かったわね」
直人「はい…」
俺はただそれだけ返した
学校に着いた時にはほとんどの生徒が下校していた
琉「俺はこのままこいつ等を送ってく
お前はどうすんだ?」
直人「俺はとりあえず一回教室戻んねーと…
鞄置きっぱなしだし」
琉「そうか…ならここでな
直人ゆっくり休めよ。また明日」
直人「おう。ありがとな皆…」
そして琉達と別れて俺は1人で教室に向かった