約束の果てに
桜「…分かった」
桜は蓮からそっと離れた
琉「蓮から離れたお前は今はただの浮遊霊だ
早く取り憑け」
桜は一瞬ためらった
そうだよな
桜が一番知ってるんだ
取り憑かれた者の苦しい末路を…
桜「…っいくよ!」
そして桜は俺に取り憑いた
シュー…という音と湯気のようなものが体から出る
――…重い…!
霊に取り憑かれるのは初めてじゃないが…やっぱりキツいな…
俺は膝をついた
桜「琉っ!やっぱり耐えられないんだ!
待ってて今離れるから!」
琉「離れるなっ!!」
桜「でもっ…!」
桜が心配してるのが分かる…
けど今離れたら桜も危なくなる…
琉「絶対に俺から離れるな。大丈夫だから」
これで準備は整った…
後は一刻と早く平澤を見つけて徐霊しないと俺の身も持たない…
桜「蓮の表情が和らいだ…?」
琉「あぁ。お前が離れたから少し時間が伸びた
だけどピンチには変わりない
蓮も直人ももってあと1日だろう」
桜「1日…それ…もし間に合わなかったら…?」
琉「死ぬ」
桜「そんなっ…!」
桜の瞳から涙がこぼれた
一刻を争う
こいつら2人の命を背負ってる
ましてや桜は自分の命を投げたして蓮を助けたんだ
だから死なせるわけにいかねぇんだ
死なせるかよ!
琉「泣くな桜。俺が必ずなんとかしてみせる
だからお前は安心してろ」
桜「琉っ…」