約束の果てに


蓮「…嘘…嘘だよ…桜が消えるわけない…!」


涙を流す蓮
だけどその涙がすべてを物語っていた


桜「嘘じゃないの蓮…ごめんね…」


蓮「…なんで…いつから知ってたの…?」


桜「…平澤さんの件が終わってすぐに…蓮には言えなかった…」


蓮「…琉は?」


琉「俺は今朝知った
それで桜に頼まれたんだ」


蓮「…なんで…どうしてすぐに言ってくれなかったの…?こんな…こんなの嫌だよ…っ」


桜「蓮…」


蓮「…琉ならなんとか出来るでしょ!?
お願いだから止めて!桜と離れたくないの!
琉なら出来るんでしょ!?だったら…っ」


琉「蓮、無理なんだ
成仏し始めた魂は俺でも止められない」


なんとか出来たら今こんな事にはなってないよ蓮…

蓮…泣かないで
私は蓮には笑っていてほしいの


蓮「そんな…!」


桜「蓮…よく聞いて。私の最後の言葉だよ」


蓮「…本当に…最後なんだね…」


桜「私がここに戻って来たのは蓮が心配だったから…
私が死んでからご飯も食べずずっと泣いてずっと私を呼んでて…

蓮が心配だったの
でも…今の蓮はあの頃とは違う…
強くなった…

琉と出逢って蓮は変わった
蓮には…友達もいる
なおもいるし…それに琉もいる

もう…未練はないの
私が居なくても大丈夫よ蓮は」


蓮「桜っ…やだ…桜も一緒がいいよ…!
約束したじゃん…来年も一緒に桜を見に行こうって…!」


桜「ごめんね…蓮…」


琉「桜…」


桜「…琉も今までありがとう
蓮の事…よろしくね…そろそろ行かなきゃ…」


これでお別れになってしまう
だけどね…だけど…


蓮「…やだ…桜…行かないで…!」


…ばか蓮……
堪えていた涙が溢れだした

私だって離れたくなかった
蓮が大人になるのを見てたかった

だけど…私がいつまでもここにいちゃいけないから…


私はそっと蓮に触れた


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