約束の果てに

今思うと今日の桜とのデートは全部思い出の場所だった…

まるで別れを惜しむように思い出巡りをしたんだ

どんな気持ちでいたんだろう…
私は何も知らずに楽しんでいただけ


桜｢最後にそれが聞けて良かった…
私も…大好きだよ…蓮…」



蓮｢桜ぁっ!｣



夕陽でオレンジ色に輝く空の中桜は…笑って消えていった



蓮｢…ぅ……うぅっ…｣


我慢していた涙が再び溢れだした
そんな私を琉は優しく抱き締めてくれた


琉｢桜は笑って逝ったんだ
あいつはきっと幸せだった…
蓮…お前もそうだろ｣


私はただ頷いた


琉｢…今は好きなだけ泣け｣


蓮｢うわあぁぁ――…っ｣


桜…さようなら……




――気付くと次の日の朝を迎えていた

起き上がり周りを見渡してみる


蓮｢……桜………?｣



だけど桜の姿も声もしなかった

本当に…行ってしまったんだ…


じわ…と涙が溢れそうになってグッと堪えた

笑ってなきゃ…
それが桜との最後の約束なんだから


私は空を見上げた


蓮｢…見てて桜｡私必ず幸せになるから
そしていつか伝えにいくから待っててね…

また会えるその時まで…
……私のお願いも叶ってるといいな｣


琉｢蓮起きたのか…
母さんがご飯作って待ってるぞ｡ほら行くぞ｣



蓮｢…うん!｣



―――――――…


桜｢蓮何お願いしたの?｣


蓮｢秘密だよー♪｣



"桜が幸せでありますように"