約束の果てに


悪霊がこっちに向かって来た


琉「離れろ蓮っ!」


急に琉に押されて私は尻餅をついてしまった



蓮「いたた……琉っ!?」



前に立っていた琉はシューと煙のような物をあげて息を荒くしていた



蓮「琉っ、大丈夫!?」



琉「お前は来るなっ
――…はぁ…でも流石に力も強いな」



琉の息が上がってる…
私の心に不安がよぎった

悪霊はもう一度琉に向かってきた


蓮「琉っ、危ない!!」



ガシッ―


琉「捕まえたぜ。2度も食らうか」



『オレヲツカマエタ!?…ハ…ハナセ!』


琉の手に…血文字…?で何か書いてある…


読めないけど…多分あれのお陰で霊に触れるんだ



琉「お前には特別だ。受け取れっ」


バシッとお札を悪霊にぶつけると悪霊は悲鳴を上げながら消えていった


すごい…あんな奴まで除霊するなんて琉はすごい除霊師なんだ



桜「――…れ……ん…」



―――桜っ!



琉「まだ意識はあるみたいだな――結界っ」



琉は桜を結界で囲んだそしてお札を貼り付けた
みるみる桜の黒いものが無くなっていく
まるであのお札に吸い込まれてるみたい…


桜から黒いものが全て吸い取られると桜は力が抜けたように座りこんだ


蓮「桜っ、大丈夫!?」


桜は何も言わずに私に抱きついた


――ううん、触れないんだけど桜の温もりを感じる



桜「怖かった…怖かった…っ」


あぁ…そっか。覚えてるからだ
桜の温もりを



蓮「―大丈夫だよ。もう大丈夫だから…」


桜は少しずつ落ち着いてきた



私も怖かった…



桜「……琉っ……ありがとう…!」
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