約束の果てに
真衣「……琉の名前は竜哉からとったの
琉あんたを産んだ事で高校には居られなくなって家でも両親と色々あって気まずくなってって…家を出て一人暮らしを始めた
私と竜哉の子…
どんな事があっても私には琉が居ることが嬉しかった
今まで何があっても関係ない
琉と幸せに暮らそうって本気で思ってた…
だけど現実は酷いものだった
頑張って働いてもお金はすぐに消えていく
琉の世話も段々重荷になっていった…
苦しかった…
どうしていいか分からなくなっていった
どうして私がこんな辛い目にあわなきゃならないの
竜哉の事も琉の事も全て逃げ出したかった…」
真衣さんっ……
桜「話さなきゃ分からない事もあるのね…」
桜の言う通り…
真衣さんはずっと苦しんでいたんだ…
琉「…それで俺を捨てたのか」
真衣「…あんたが3歳の時、幽霊が見える事がきっかけよ
今もまだ見えてるんでしょ?
信じられなかった
純粋に誰も居ない所を指さして喋ってる琉がいてもしかしてと思って…
それが原因で周りからの目も冷たくなって…
あんた覚えてる?
あんた私を指さしてこう言ったのよ?
"パパがいるよ"って」
え…っ!?
琉「俺がっ…?」
琉も覚えてない様子だった
だからこんなに驚いてるんだ
他の事は琉ちゃんと覚えてるのに…
琉「…俺は覚えてねぇ」
真衣「そうまだ3歳だったからね無理ないわ…
それを聞いた瞬間背筋が凍ったわ
琉には見えてる。竜哉がここにいる…
考えれば考える程怖くなった
琉の事も竜哉の事も
琉がなんて言うか怖かった
もう限界だったの。だから捨てたのよ」