過去詩たち
2015年7月11日 23時46分

例えば

例えば夜が明けたとして
それは昨日の景色とは違う訳で
僕はなんだか悲しくなる

例えば朝日を見たとして
誰かと共有しているのなら
僕はなんだか嬉しくなる

例えば昼が来たとして
うっとうしいや賑やかとか
思うことは人それぞれ
それもそれで楽しいだろう

例えばこの苦しみから逃げたとして
それはそれで苦しいのなら
僕はどうすれば良いんだろう

例えばこのまま夏であり続けるなら
私たちは不信に思うはずで
でもそれが当たり前であるならば
そのことすら思いやしないだろう

例えば冬が来たとして
例えば春が来たとして
例えば秋が来たとして
僕らの誰かしらは写真でおさめてくれるはずで
その季節すらもう見れなくなると知ったら
僕らは嘆くだろう

それでもなぁんにもできない
そんなちっぽけな僕らは
仕方ないと諦めるのか
何もしやしないのか
はたまた受け入れ ちっぽけな努力を積み重ねるのか
どうにしろ僕らはそれなりに何か思うはずで

例えば夜が明けたとして
それが今日の景色と違うのなら
僕らは期待し少しは前へと進むのか
それともただただ涙活とやらをするのか
どうであれ誰も正確には答えてくれやしない

最後に一つ
例えば「おやすみ」を言える相手が出来たら
僕らの世界はもう少しマシになるだろうか
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