過去詩たち
2016年02月22日

愛撫




『愛撫』

そんな大した出会いでもなく
世界から見れば
ちっぽけな一人と一人が出会っただけで

映画のワンシーンにも
絵になるわけでもなく
有名で特別な人ってわけでもなくて

それでも 好きなんだろう
どうして 心地がよいのか
どうして 一番に体温を感じたいのか

一生懸命 考えてはいるが
分かるわけないじゃない

大好き としか言えない
いつまで続くかは誰にもわからない
なら 信じて
ただただ トクトクトク
君の胸の鼓動の音を感じたい

わがままを言うこと 頼ることも
ひとりぼっちの僕はできなかったこと

本能のまま「好き」を
全身で表現して 伝える相手がいる
なんという幸せ

僕にできることはなんだろう
教えてくれた君を不安にさせないよう
素直に泣けないあなたの唇にキスをした
精一杯のつたないキスを



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