院内恋愛(旧:恋の階段*タイトル変更しました)
夜勤に行かなくちゃ。

「ありがとうございました。」

「寝て起きると、敬語に戻るんだな。」
と、笑われる。

「だって、いきなり…」

「付き合うって言ったの、覚えてるよな?」

「覚えてるよ!!」

「ははっ。そんな感じで。あー、送ってく。明日の朝も迎えに行こうか?」

「明日もどうせ寝ちゃうし、申し訳ないので…


「ちゃんと、寝られるのか?」

「へへっ。」

日本人らしく、笑って誤魔化すけれど、誤魔化されてはくれないらしい…
真顔で見つめられると怖いよ。白衣が見えそうな、鋭い目をしているよ。

「…迎えに行く。付き合い始めたばっかりだから、一緒にいたいんだ。」

「…うわー、あまーい。」
茶化して見たものの、

「甘いの嫌いだった?」
とのぞき込まれて、頭をなぜられたら、何も言えずに、小さく首を振ってしまった。

「じゃあ、行くか。」

蒼介が、車のキーを持って立ち上がった。
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