院内恋愛(旧:恋の階段*タイトル変更しました)
ベッドの端っこで、一人目を覚ます。条件反射のように、スマホを手に取ると、10時になろうとしていた。

この状況を、またかと思ってしまう自分は申し訳ないけれど、熟睡した後は、身も心も軽い。

窓が少し開けられているのか、カーテンが風に揺れ、部屋の中は適温だ。

うーん、と伸びをすると自分が裸だと気づいて、慌ててタオルケットをかける。

私の声が聞こえていたのか、ドアが開かれた。

「おはよう。」

「…おはようございます。」

休日仕様の蒼介は、今日もまたかっこいい。
そんな姿が見られることに、優越感を感じるものの、あまりにも自分が無防備すぎる。


ベッドの端に蒼介が腰掛けて、私の頬に手をのばす。

「よく眠れた?」

「うん。毎度すみません。」

「謝ることはないよ。」

「平日は眠れてるの?」

「…はい。」
ちょっとだけ、医者の視線を感じて、目をそらす。

「…前よりは。」

「よかった。平日も来ていいんだよ。合い鍵使わないし、お誘いもないし、残念だなぁ~。」

わざとらしい笑顔で、顔を覗き込まれ、へへっと笑ってごまかす。

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