院内恋愛(旧:恋の階段*タイトル変更しました)
仕事は相変わらずいそがしく、さらに世の中はお盆休みが加わって、家族がいるスタッフ優先で休みを取得。

毎年のことだけど、この期間、通常で勤務している私は、患者さんの様子をリアルタイムで把握していることもあり、重宝がられる=気を遣い、多忙になるのも事実。

それでも、週末の1日、蒼介のベッドで諸々満たされて眠れることを、認めてしまうのはちょっと怖いけれど、心のどこかで支えにして過ごしている。自分のベッドよりも、はるかによく眠れるのは事実。

お盆休みが明け、少しずつ院内が通常仕様になってきた頃、朝起きてだるいなと思った。
もうすぐ週末だけれど、蒼介は学会で九州へ出張。会えないというのが、余計に凹んでだるさが増した気がした。

定時には、明らかに体調が悪いことが自分でも周囲にも分かってしまっていた。

師長から土日の勤務は変更したから、ゆっくり休むように言われる。来週の土曜日も珍しく希望休を出しているから、日曜の夜勤だけはと言うが休めと言われれば休むしかない。患者さんに移すわけにはいかないのだ。

よりによって、蒼介いないし。でも、いたとしても風邪引いたから助けて、とはなかなか言いにくい。いなくてよかったのかもと思いながら、当たり障りのないメールを送った。



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