*完結* 星野と高瀬のばあい
「あ、僕このキーマカレーのパイと、ラズベリーと蜂蜜のやつください。
星野もあと1コは甘いのがいいんじゃない」
リンゴとクリームチーズのパイなんかおすすめです、店員が高瀬ににこやかに話しかける。
会ったばかりの高瀬に自然に愛想をふりまきながら、しおさの存在は空気にすることができる。
うらやましいような、苛立つような。
「だって」高瀬がしおさに向き直る。
じゃあそれで、ぽそっとつぶやく。自分はいま仏頂面をしていることだろう。
飲み物をそれぞれ選ぶと、「会計は一緒で」と高瀬がすばやく告げる。
「あたし払うよ」
席についてからそう言った。レジ前で会計を譲り合っているカップルなんて、見苦しくてしょうがないだろう。
星野もあと1コは甘いのがいいんじゃない」
リンゴとクリームチーズのパイなんかおすすめです、店員が高瀬ににこやかに話しかける。
会ったばかりの高瀬に自然に愛想をふりまきながら、しおさの存在は空気にすることができる。
うらやましいような、苛立つような。
「だって」高瀬がしおさに向き直る。
じゃあそれで、ぽそっとつぶやく。自分はいま仏頂面をしていることだろう。
飲み物をそれぞれ選ぶと、「会計は一緒で」と高瀬がすばやく告げる。
「あたし払うよ」
席についてからそう言った。レジ前で会計を譲り合っているカップルなんて、見苦しくてしょうがないだろう。