*完結* 星野と高瀬のばあい
「いーよ、俺が来たかったんだもん」

向かいに座る高瀬が、目を細める。
なかば予想した答えではあったけど。

「・・・なんかフェアじゃない気がする」

「恋愛ってそもそもフェアな勝負じゃなくない。好きになったほうが負けっていうか」

「勝ってる気がまるでしないけど」
首をひねる。

高瀬はなんだって自分に負けっぱなしでいてくれているのか。
容姿が好みなだけなら、とうに愛想も尽きているだろうに。


アイスラテにガムシロップを入れて、ストローでかき混ぜる。
氷がカラカラと涼しげな音をたてる。
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