*完結* 星野と高瀬のばあい
そういうことではないだろう。17歳にもなって。

その意味するところから、目をそらしつづけている姉に、弟は遠慮がない。


「大和くん、女の子に人気あるのにさ〜」

「知ってるよ」

高瀬のことならあんたよりも、と心の中で付け加える。


高瀬大和(ヤマト)の女子人気は、ランドセルをしょっていた幼少のみぎりから変わらない。

そうして、高瀬の女子全般への処しかたも、変わらない。
誰にもひとしく親切で愛想がいいが、「特別」にはならない。


互いにしばし無言で、親子丼を咀嚼する。


「・・ナギはどうなの?」
ぼそっと訊く。

「彼女とか、できた?」
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