*完結* 星野と高瀬のばあい
第二章/問題編
* * * * *
———星野さんてさ、
自分の名前を耳にして、反射的に視線がそちらに向く。
目に映るのは、グレーの仕切り板だけだ。
パンツを下ろして、便座に腰かけたかっこうで、壁の向こうにある光景を想像しながら、
耳をそばだてる。
手洗い場で、数人のクラスメイトがおしゃべりに興じているようだ。
まいったな、出れないではないか。
本人がいるかもしれないところでうわさ話とは、無邪気なものだ。
———星野しおさ?
———あの子って、ハーフだよね? 名前はめっちゃ日本人だけど
———見た目と名前にギャップあるよね
・・・自分でつけたわけじゃないぞ。
———星野さんてさ、
自分の名前を耳にして、反射的に視線がそちらに向く。
目に映るのは、グレーの仕切り板だけだ。
パンツを下ろして、便座に腰かけたかっこうで、壁の向こうにある光景を想像しながら、
耳をそばだてる。
手洗い場で、数人のクラスメイトがおしゃべりに興じているようだ。
まいったな、出れないではないか。
本人がいるかもしれないところでうわさ話とは、無邪気なものだ。
———星野しおさ?
———あの子って、ハーフだよね? 名前はめっちゃ日本人だけど
———見た目と名前にギャップあるよね
・・・自分でつけたわけじゃないぞ。