*完結* 星野と高瀬のばあい
検査に引っかかったことはない。

しおさが引っかからないことが、周囲に軋轢をもたらす。

順番が回ってくる。耳が見えるように、サイドの髪を耳にかけておく。
後ろをむいてみせ、あっさり終了。


当然ながら、そうとはいかない生徒もいる。
茶色に染めた髪をつまみあげられた女生徒が、こちらに恨めしそうな視線をよこす。


こちとら地毛なのだ。勘弁してくれい。



———なんで、星野さんはいいのに、あたしたちはダメなんですかぁ?

腹立ちまぎれに、生徒が食ってかかる。


———星野は生まれつきだ

教師が苛立たしげに返す。
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