病室の窓から
未遂
目が覚めると、そこには白い天井が広がっていた。
その天井には見覚えがない。
私を包み込むベッドは
慣れ親しんだ私愛用のベッドとはまるで違う
ここは一体どこなのだろう?
どうして私はこんな所で寝ているのだろう?
ふと横に目をやると、そこには妹がいた。
今年で10歳になるなんとも可愛らしい妹だ。
妹は私に寄りかかるようにして眠っている。
その閉じられた目の周りには涙の後が残っていた。
誰が私の妹を泣かせたのか
そいつに会ったなら3時間は説教をしなくては
そんなことを考えていると
誰かが部屋の扉が開けて部屋に入ろうとしていた
「…誰?」
私はその人物に尋ねた。
するとその人は驚いたように駆け寄ってくる。
「みっちゃん…?みっちゃん!目が覚めたのね!」
よく見るまでもなく、その人は私のよく知る人だった。
「あー…なんだお母さんか。」
それにしても母はなんだか随分と慌てているようだけど
なにかあったのだろうか?
「なんだ、ってアナタねぇ…あぁ!とにかくお医者を呼ばなきゃよね!良い?そのままじっと寝ていなさいよ?」
そういって母は部屋から慌ただしく出ていった。
「医者?って…あぁここは病院か」
少しずつだけれど状況が飲み込めてきた。