~You Are My Sunshine~
▷最悪
メールを送信するのにかかった時間、約30分。


軽すぎず、重すぎずのメールは、思ったより難しかった。


塾の後、ばったり会っちゃって。


やっぱり朝日ちゃんと喋るの…ドキドキってか、緊張したって言うか…


朝日ちゃんがショッピングとは意外だったけど、あんなにすんなりオッケーしてくれるなんて、思ってもいなかった。




張り切って起きた朝は、いつもより寝起きが良かった。


集合場所は、ショッピングモールの前にある時計台。


「あれー?ナオー??」

着いた瞬間に聞こえた声。


顔を見なくても分かる、俺が苦手な女。


「こんなとこで何してんのー??」


「待ち合わせ」

話したくないから、わざと短い返事をした。


「へー!誰と?」


「関係ないだろ、友菜には」


「関係あるよ、ナオはあたしのだもん」


「はぁ?お前何言って、」


言い終わる前に触れた唇。


一瞬、何が起こってるか分かんなくて。


気持ちが悪くなって、俺はダメだと分かっていながらも、女子である友菜を突き飛ばした。


すると数歩下がった友菜は、俺の顔を見てニヤリと笑った。


同時に、俺の右側に見えた朝日ちゃんの顔。


泣きそうな、真っ青な顔をして立っていた。


「朝日ちゃんっ!」



咄嗟に叫ぶけど、走り出してしまった。




朝日ちゃんは、俺の彼女でもない。


なのに、どうしてだろう。






胸が、こんなに罪悪感でいっぱいなのは。





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