~You Are My Sunshine~
*涙
やっと涙が止まった頃には、走りすぎで脚がパンパンになっていた。


胸が張り裂けそうなくらい苦しい。


直樹くんの彼女でもないのに、どうしてこんなに傷ついてるんだろう…


もしかしたら、あの女の人が彼女さんかもしれない。


だったらどうして私を誘ったのだろう…親睦深める為?


考える度に、胸の苦しさは増していった。




すると、前方からヒロくんと奈々が歩いてきた。


なんでヒロくんと奈々?


どうしよう、泣いたのバレちゃう!


いろんな事を思いながら、アタフタしていた。



「あ!あれ朝日ちゃんじゃね?」

「あっ、本当だ!朝日ー!」



気付かれたものは仕方がない、と思い、手を振った。



「あれっ?朝日、今日予定あるんじゃなかったっけ?」


「そうだよー、ナオとどっか出掛けるんじゃないの??」



やっぱり名前を聞いちゃうと、思い出しちゃうキスシーン。


何か言おうと思っても、喉が詰まって言葉が出ない。


それに気づいた奈々が言った。


「ちょっと来て。ヒロも」


そう言って奈々に連れて行かれたのは、私の家だった。



部屋に着き、座ってから奈々が聞いた。


「何があったの?」


「何でもないよ。調子が悪くなったから、帰ってきただけ…」


「嘘つかないで。調子が悪いだけで、泣きはしないでしょ」


「…」


気持ちを見透かされたと思った瞬間に、止まったはずの涙が出てきた。



「もうどうしていいか、分かんないよ…」

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