ニートだったけど何故かゲームの世界に入れました。

「ふぁ〜…よく寝た」


普通の小説なら チュンチュン なんて爽やかなモーニングを演出しつつ主人公が爽やかに目を覚ますシーンだろう。だが残念
俺は無職だ


「やべぇアニメも撮り貯めしてるの消化しなきゃ…。しかも明日はイベントかよ…お金ない…。」


高校を目立つことなく卒業

大学というコミュ力の発揮される戦場に突撃するというバッドエンドを選んだ俺は、大学を辞め今は立派なニート。


「とりあえず腹減った…。自分に課金したのはいつが最後だよ…。」


実家という無料回復を備えたダンジョンに潜伏している俺は今のところはその恩恵にあやかっている
しかし最近その無料回復に運営が規制をかけようとしている


「ん…まぁ一階に降りるか…。あー腹減ったなー…。」


ートントンー



一階に降りると強敵…もとい運営…何度も間違えてごめんなさい、母がいた。


「腹減ったなー」


「こら!あんたは働きもせずまた…いい加減アルバイトでもいいから仕事探しなさい」


第一声からクリティカル。ゲームならHP赤ゲージくらいのクリティカル。

ーそう、運営とは母のことだ

大学までは期待して俺に教育という名の課金をしてきたはず

それなのにこんな弱小キャラが誕生したんならもちろん怒る、わかるぞお母様


「ごめんごめん、でも今働きたい仕事なくてさ…」


「またあんたは…。まだお昼でしょ?外に出てなんでもいいから働けるところ見つけてきなさい」


なんというミッションだ
難易度ベリーハードどころじゃない、完全に裏モードだぞそれ


「いやあの…お腹…」

「じゃあね、頑張って」


ついに運営は生産性のないキャラを見捨てたようだ



ー…トン…トンー



ー深いため息をつきながら降りた時よりも重い足取りで俺は自室へと戻った。
< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop