輝く空
始まり
「お前らなに騒いでんだよ。うざいだろ。早くどっかいけ!」
同じクラスの男子が叫ぶ。
(キーンコーン)
(カーコーン)
チャイムがなりみんなが教室にもどり、その場が静かになる。
誰もがときめき、同じクラスの女子は我先に話かける。
名前は渋原 龍太。
親の仕事の都合で引っ越してきたのだ。
「起立。気をつけ。礼。」
「お願いします。」
「え~みんなも分かってると思うが今日から転入生がいる。自己紹介を頼む。」

「初めまして渋原です。宜しく。」
(キャーカッコいい)
女子生徒が悲鳴をあげる。誰もがうっとりみつめる。
「みんな仲良くするうに!じゃタケル宜しく頼むな!みんなもたすけるんだぞ!」
(はぁーい!)
時間が過ぎ、休み時間には毎回女子生徒が見にきていた。放課後になりみんなが、龍太がどの方向に帰るか注目した。
「龍太帰ろうぜ!」
「あぁ。」
タケルは龍太と仲がよかった。家が近く親同士が知り合いで学校以外で出会っていた。
「龍太。お前すごいな」「なにが?」
「学校に来て一日目で人気者だぜ」
「気にしてない。」
タケルは羨ましかった。
二人は学校から30分も離れた山の中の住宅地に住んでいた。のどかで川が流、木々が多く木のトンネルがいくつもある。「龍太!明日朝迎えにくるからな。」
「あぁ。頼む。」
二人は別れて家に帰った。
(ガチャ)
「ただいま。」
「おかえり!お兄ちゃん!」
二つ年下の妹が迎えた。「みずほ早かったな。友達はできたか?」
「できたよ!これから遊びに行くんだ!夕方には帰るね!」
(バタン)
「みずほは早いな…。」いつも明かるく、活発なみずほには友達が多く龍太には羨ましかった。
(ガチャ)
「ただいま!みずほ!龍太!いる?」
「何だよ?」
「龍太!ちょうどよかった。買い物して来て!お母さん達遅くなるんだって。家の事するからいってきて!」
「また遅いのかよ…わかった行って来るよ。」
(ガチャ)
スーパーまで歩いて20分の距離を龍太は寄り道をしながら行った。
以前から気にしていた、山道を夕日が差し込む木々達の細い道を進んで行く。
ふと、歌声が聞こえた…
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