魔法使いの一日
その後少年を正座させ、みっちりと説教をしていた。
「大体あんた、此処誰の家だと思ってるの?」
「藤代亜梨珠(ふじしろ ありす)様の家でございます」
「そう。此処は私の家で、あんたは此処に住まわせてもらってる身なの。なのに!!」
私は拳を机に思いっきり叩きつけた。それはもう机が壊れそうな勢いで。
「あんたはまるで自分の家のようにくつろいで、しかも家の食料は勝手に食べるし、挙げ句の果てには茶をいれてこいだぁ!!? 何様のつもりよ!! あんた、恩を仇で返すつもり!!?」
「すすすすみません、滅相もございません!!」
少年は何度も何度も頭を下げた。それをしばらく見てたら流石にもういいかなぁ、と思い許してあげた。
「ほらもういいから、さっさとこの床に散らばってるゴミを片付けて」
「へ〜い」
少年はすっかり何時もの調子に戻ると、ゴミが散乱している所に手をかざした。そして、
「お前達、行くべき場所へ向かえ」
ゴミに命令するような言葉を言うと、ゴミ達が一人でに歩きだしゴミ箱へと一直線に進んでいった。
その光景は何度も見たはずなのに、やっぱり驚いてしまう。
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