魔法使いの一日
「っ……本当に融通が利かないよなお前は……」


どっちのセリフだ、と口に出さず心の中で毒づく。


「そっちがその気なら、こっちにだって考えがあるんだぞ」

「? 考え?」


と、ソラは私に手を翳す。まさか…、


「この卑怯者!! 魔法使うなんて反則だー!!」


その時既に、私の体は金縛りにでもあったかのように動かなくなっていた。


「何とでも言え、お前が一人で行かないって言えば解いてやる。いっその事しばらくはこのままにしとくか」

「ふざけんな―――!!!」


何でお前なんかに束縛されなきゃならないんだ!! しかも魔法なんて普通に生活してれば持ちえない物使って―――――!!!


でも、まてよ……


「そっか……残念だな……今日お餅の特売やってるから、久しぶりにお餅の入ったきんちゃく作れると思ったのに……」


ピクッ


ソラの肩が秘かに震えた。よし、かかった。






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