魔法使いの一日


「お前、絶対信じてないだろ。俺は魔法使いなんだぞ」

「んー? 信じてる信じてる」


私は買ってきたものを冷蔵庫に入れながら、また適当に相づちを打つ。


そんな私の態度が少年には凄く気に入らないらしく、む〜、う〜等と唸っている。


私はため息をつくと、少年にビシリと指を向けた。


「じゃあ魔法使いだっていう証拠として、ほうきに乗ってみせてよ!」



と、少年にピシャリと言い放った。やっぱり、魔法使いと言ったらほうきで空を飛ぶことだと私は思う。


この一週間、私はこのような状況になっても此処までのことは言わなかった。それほどまで、怒りが蓄積されていたのだろう。


あの時は許したが、やっぱりそう簡単に怒りは納まらないみたいだ。







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