魔法使いの一日
『キサマラゴトキダジャクナソンザイガ、ワレラニカナウトデモオモッタカ…！』

「…なめるんじゃ、ないですよ!!」


ミリンは拳に魔力を集中させて飛び上がり、ケルベロス目掛けて拳を振り下ろそうとした。だが、


バンッ！


「うあっ!!」

「ミリン!!」


ミリンはケルベロスの前足に軽々と弾かれ、地面に勢いよく叩きつけられてしまった。叩きつけられた衝撃で砂埃が起こり、ミリンの姿が見えない。


「オロカモノドモメ…！」

「ぐあっ!!」

「ソラ!!　アル君!!」


ソラとアル君もミリン同様に前足で跳ね飛ばされ、ミリンと同じ場所へと叩きつけられた。2人が叩きつけられたと同時に、私を守っていた結界が消えてしまった。でもそんなのどうでもよくて、自由になった私は皆の元へと駆け寄った。


そこには、砂埃まみれでぐったりと横たわっている3人の姿があった。私は全身から血の気が引いていくことを感じたと同時に、こんな状況が今まで無かったので混乱する。


「ソラ!!　アル君!!　ミリン!!　しっかりしてよ!!!」


しかし、辛うじて意識があるのはソラだけで、2人は気絶していた。でも、目立った外傷はないからとりあえずは、大丈夫なのかな？






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