魔法使いの一日
「この…バーカ」

「は!?」


突如ソラから掛けられた言葉にムカッとして再びソラを見る。と、痛みで苦しそうにだけど、笑ってた。


「強がってんじゃ…ねーよ」

「何言って…」

「手、震えてんぞ…」


ソラに指摘されて始めて気付いた。いや、正確には気付かないフリをしていた。カタカタと小刻みに震える手を握り締める。だって、カッコ悪いじゃないか。


「くっそ……ぐっ!」

「あっバカ動くな!!」


起き上がろうとしたソラは、身体に力が入らないのか崩れ落ちる。


もう平常心を装ってる余裕もなかった。どうしたらいいのかと体中を焦りが駆け巡る。振り返るとケルベロスがいて、逃げるにしたって回りは結界で囲まれてるまさに四面楚歌状態。どうしたらこの状況を…どうしたら……!


そんな時だった。




『オレが倒してやろうか?』







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