魔法使いの一日

八.あなたはだあれ?

突然頭を押さえブツブツ言い出した亜梨珠は、これまた突然に腕をダランと下げ、項垂れた。コイツ、こんな時に何やって……!


『フン…イサギヨクアキラメオッタカ……ナラバノゾミドオリ…』


ヤバイっ!!


ケルベロスはその鋭い牙を剥き出しにし、


『キサマカラサキニクロウテヤルワ!!』


大口を開け、亜梨珠に襲い掛かった。


「亜梨珠!!!」


オレは咄嗟に手を伸ばした。手を伸ばしたから何かが出来るかと聞かれたら返答に困るが、体が反射的に動いたのだ。


ガッ!


だが、オレの手が届く事は無かった。そして、信じられない光景が目の前に広がっていた。













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