魔法使いの一日
目の色が、いつもの茶色の目の色じゃなく












血に濡れたように真っ赤だったのだ。












その色に背筋が凍りついた。


「お前…誰だ?」


この異常なる目の色を見て確信した。コイツは亜梨珠じゃない。


「んだよ起きてたのかよ。ったくめんどくせぇなー」


そいつは眉間に皺を寄せ、めんどくさそうに頭をかく。その態度にオレは苛立ちを募らせる。


「答えろ!! 亜梨珠をどこにやった!! お前は誰なん―――――ぶっ!!?」


最後まで言い終わらないウチに、頭上に衝撃を受けた。と同時に俺の顔は地面に叩きつけられていた。


なんだ!? てか頭重ッ!! そう思いながら顔を上げようとした。が、また地面に叩きつけられ意識が飛びそうになったところをなんとか持ちこたえる。


視線だけ上に向けると、亜梨珠の足が見えた。どうやらオレは頭を踏みつけられているらしい。


「あーはいはい、オレが誰かね。通りすがりの通行人Aですよー」

「そ、んなの信じられるか!! 真面目に答え―――んがっ!!」


また地面に叩きつけられた。しかも今度は何度も何度も。ヤバイ…本気で意識が飛んで……


「まぁ安心しろ守護者(ガーディアン)」


薄れゆく意識の中、そいつから聞こえてきた耳を疑う言葉。


「オレの正体はいずれ分かる。その時まで精々楽しみにしとけ」


何故それを知っているのかとか、どういう意味だとか、聞きたいことは山ほどあるのに


オレの意識はそこでぷっつりと途切れた。






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