魔法使いの一日
さーてと、こいつも落としたし面倒な事一つは回避したな。


オレはふぁ~~、と欠伸をする。あ~~めんどくせ~~、でもあのクソ犬を始末するまでの辛抱だ、それが終われば寝れる。頑張れオレ。


と、オレに牙折られてのた打ち回ってたクソ犬が正気に戻ったのかオレに向けて凄まじい殺気を送ってくる。


『キサマァ……タカガニンゲンフゼイガフザケタマネヲ!!』


そう叫ぶと、これまた凄まじい早さでオレの前にやってきた。このでかい図体のどこにそんなスピードがあんだろーな。冷静に考えてたら、その鋭い爪でオレを引き裂こうとする。


『シネェエエエエ!!!』


オレは口角を吊り上げた。


「バーカ」


クソ犬が振り下ろしてきた爪は、オレには当たらない。オレとクソ犬の間に風が渦巻き、クソ犬の爪を受け止めてるから。


『コレハ……マホウ!!?』

『ナゼダ!! コノケッカイガハッテアルカギリ、キサマハマホウヲツカエナイハズ!!』

「あー言い忘れたけどよ、オレの魔法はてめぇらのと素質がちげぇんだよ。だからそんな結界オレには通じねぇの。お分かり?」


ニヤリ、と笑ってみせる。






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