魔法使いの一日
「気まぐれでケルベロスに「見透石(けんとうせき)」を埋め込んでみたが……随分と面白いものが見れたな…ドマーニよ」
「し…信じられません……あの力は、間違いなく奴らの…! 何故…! 奴らは一人残らず滅ぼしたはず…!」
「何、簡単な事だ……ゴキブリはゴキブリ並みにしつこいということだろ」
ニヤァ……と、ヴァルボーネは怪しく笑みをつくる。
「しかしこれではっきりした。道理で、下等生物如きが結界を破壊できるわけだ」
クックックッ……そう笑い声を洩らしながら話を続ける。
「残念だったな。確かに人間は掟により殺す事はできんが、"奴ら"と同じ血が流れているあの小娘は、極刑に値する! そうだろう? ―――よ!!」
ヴァルボーネはこの上なく楽しそうに高らかに笑い出した。そんなヴァルボーネの前に、ドマーニは跪き頭を下げる。
「では、至急兵を人間界へ送り込みます」
「……いや、待て」
まさかの静止の言葉に、ドマーニは顔を上げる。
「ただ殺してもつまらん。奴はこの俺に屈辱を味わわせたせたのだからな」
「と、申しますと?」
ドマーニの問いかけに、ヴァルボーネは口元を吊り上げる。
「もう少し共に行動をさせ、更に情を移させるのだ。そして、お互いが信頼しあった中、あの小娘の息の根を止める。それも……見るも無残な死に方でな…!」
その時のヴァルボーネの顔は、悪魔が乗り移ったかの如く、酷く凶悪な顔をしていた。
最も、今更な事なのだが。
「かしこまりました」
それにドマーニは一礼し、部屋を後にした。
「ククッ……これからが楽しみだな…」
ヴァルボーネの呟きが、部屋に木霊した。
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「し…信じられません……あの力は、間違いなく奴らの…! 何故…! 奴らは一人残らず滅ぼしたはず…!」
「何、簡単な事だ……ゴキブリはゴキブリ並みにしつこいということだろ」
ニヤァ……と、ヴァルボーネは怪しく笑みをつくる。
「しかしこれではっきりした。道理で、下等生物如きが結界を破壊できるわけだ」
クックックッ……そう笑い声を洩らしながら話を続ける。
「残念だったな。確かに人間は掟により殺す事はできんが、"奴ら"と同じ血が流れているあの小娘は、極刑に値する! そうだろう? ―――よ!!」
ヴァルボーネはこの上なく楽しそうに高らかに笑い出した。そんなヴァルボーネの前に、ドマーニは跪き頭を下げる。
「では、至急兵を人間界へ送り込みます」
「……いや、待て」
まさかの静止の言葉に、ドマーニは顔を上げる。
「ただ殺してもつまらん。奴はこの俺に屈辱を味わわせたせたのだからな」
「と、申しますと?」
ドマーニの問いかけに、ヴァルボーネは口元を吊り上げる。
「もう少し共に行動をさせ、更に情を移させるのだ。そして、お互いが信頼しあった中、あの小娘の息の根を止める。それも……見るも無残な死に方でな…!」
その時のヴァルボーネの顔は、悪魔が乗り移ったかの如く、酷く凶悪な顔をしていた。
最も、今更な事なのだが。
「かしこまりました」
それにドマーニは一礼し、部屋を後にした。
「ククッ……これからが楽しみだな…」
ヴァルボーネの呟きが、部屋に木霊した。
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