魔法使いの一日
バキィッ!
私はそいつの頬を思いっきり殴った、勿論グーで。人生ここまで生きてきた中で、此れ程強い力で人を殴った事はなかった。
おっさん、基糞爺ぃはあまりの勢いで尻餅をついてしまい唖然とした表情で私を見上げた。
「おい爺ぃ。お前か、私達目がけて隕石擬きを降らせたのは。どういうつもりだおい。手品の練習なんて言ったらそれなりの覚悟はしてもらうぞ。てかお前は謝ることを知らないのか? まず最初に謝るのが礼儀ってもんだろ。それを邪魔だぁ? そのくらいの礼儀、幼稚園児でも分かるわ!!」
等と、初対面の糞爺ぃに次々と罵声を浴びせていく私。
するとそいつは下を向き「クククッ……」と笑いだし、突然私の首を掴んで立ち上がり、強い力で締めつけた。
「亜梨珠!!」
「っ……く、あっ……」
「クククッ……面白い女だ。この俺に歯向かう奴などお前以外に始めてみたぞ。しかも女ときた」
その男(確かヴァルボーネだっけ?)は楽しそうに笑う。
私は必死に抵抗したけど首を締め付けている手は離れず、抵抗すればするほど首を締め付けている手に力が入った。
「おい女。抵抗しないほうが身の為だぞ。クククッ……」
「亜梨珠を放せ、ヴァルボーネ……。お前の狙いは俺だろうが」
少年が、今までに聞いたことの無いようなドスの効いた声で話した。
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