魔法使いの一日


「止めろ! 亜梨珠は関係ないだろ!!」


少年が叫ぶと、ヴァルボーネは短く舌打ちをし剣を少年に向かって一振りした。すると剣から幾つもの風の刄が現れ少年に襲い掛かった。


 少年はそれを全て躱した……と思ったが、一つだけ躱しきれず足に当たり、そこが切れてしまった。切れたところは見るかぎり浅いようだが、流れ出る血は止まりそうもない。


「くっ……」

「少年っ!!」


この時になって初めて、こいつらが使っているのが魔法だということが分かった。少年が使っていたのが魔法かどうかは少し疑わしいが、このヴァルボーネが使っているのは間違いなく魔法だ。


もはや隕石擬きが落ちてきた時点で手品の域を遥かに越えていたじゃないか!
何でその時点で気付かないんだよ私!! これじゃ糞爺ぃに言われた通りの下等生物じゃないか!!







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