魔法使いの一日
その前に、何で魔法使いがこの世界にいるわけ? 魔法使いや魔法何て、漫画やアニメの中での空想の中でしか無いと思ったのに……。
私、何時の間にかファンタジーの世界に紛れ込んじゃったの!?
とっ兎に角。落ち着け、落ち着くんだ亜梨珠。こんな時に慌ててどうする! 落ち着いて。冷静に、冷静になるんだ…………よし!
私は自分自身に言い聞かせ、なんとか冷静になれたと思う。いや思うじゃない、冷静になれたんだ。そして今の状況を把握する。
兎に角、まずはヴァルボーネから離れないとこっちが圧倒的に不利だ。さっきのように肘鉄をくらわせるという手を考えたがまず駄目だろう。
実際、それをやっても私の首を締め付けていた手の力は緩まなかったし、不振な動きをすると相手も私がまた何か仕掛けてくると思って手足の自由を奪うかもしれない。相手は魔法使いだ、そのくらい簡単だろう……たぶん。くっ、どうしたらいい!?
「クククッ。不様だな、魔法使いも魔力を奪われたら只の人間か」
えっ!?
今、ヴァルボーネがとんでもないことを言ったような……。魔力って、魔法を使うために必要なあの魔力だよね? なんかのアニメかなんかで、そんなことを言っていたような……。
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